5Gネットワークのための最適化

♪ （5Gネットワークに最適化） こんにちは ラージ・アンバティです Appleで5Gソフトウェア開発 の責任者を務めており 5Gについてお話しできることに ワクワクしています 詳しく説明しましょう 今回の短いプレゼンテーション を通じて 3つの主要な分野を取り上げ 5Gへの道のりについて 少し背景を説明します それが大きな意味を持つ理由を 説明したいと思います iPadOSとiOSが 優れたユーザー体験を維持しながら ネットワークパフォーマンスと バッテリ持続時間を どのようにバランスさせているか をご紹介します また Appが5Gに 最適化していることを確実にする 実用的なガイダンスも提供します 5Gへの道のりから始めましょう 私にとって現代の5Gネットワーク の可能性を伝える最善の方法の 1つは 少し後退してみることです さてこのような素晴らしい 携帯電話を 持っている人は多くないでしょう しかし重要なのは その時代に大切な存在だったことを 理解することだと思います この便利なデバイスを使えば 外出先で実際に 電話をかけることができます もちろん現代のiPhoneでも 通話は可能ですが iPhoneでできる 素晴らしいことの多くは ネットワーク技術の 進歩によるものです ネットワーク進化の各段階で モバイルデバイスに劇的な 新機能がもたらされてきました 例えば 2Gネットワークは モバイル向けにデータサービスを 提供する最初のネットワークでした 電話をかけるだけでなく 劇的に新しいことができるように なりました 例えば SMSテキストメッセージ を送信することによって 音声なしの会話をすること； 写真を撮り すぐに友人に送ること； また さまざまなメディアを配信すること これには 最大384 Kbpsの 高速で複数の画像 動画 音声の配信が含まれています これは遅いと 思われるかもしれませんが モバイルデバイスでこれらの 驚くべき新機能を実行できたという 事実は ネットワークのパフォーマンスが それほど 重要ではなかったことを意味します しかしもちろん いったん開発者が ネットワークにアクセス できるようになれば われわれの目標はそれを限界まで 押し上げるということです そのため 2Gネットワークは より多くのデータをより迅速に 配信するための継続的な取り 組みの始まりにすぎませんでした 3Gは 主にデータ接続に焦点を当て ビデオ通話 モバイルTV さらにはインターネット アクセス等の新機能をリリースしました 当時の画期的な3Gがどのような ものだったかを想像してみてください 携帯にウェブブラウザがあるのは 素晴らしいことでした インターネット全体をポケットに 収めてしまうのです! 4G またはより一般的にLTEと 呼ばれるものが次に登場し それによってデータ速度がさらに 向上しました LTE対応の信頼性の高い モバイルボイスオーバーIP通信 高品質ビデオのストリーミング のサポート およびその他多くの データインテンシブなユーザー体験 例えば FaceTimeビデオを使用して 家族とコミュニケーションをとったり 共有されたAR体験やリアルタイム のマルチプレイヤーゲームなどが 大好きになりました 私たちが信頼するようになった これらの素晴らしい新しい体験は 旧世代に比べてネットワーク パフォーマンスが 劇的に向上したことによって 可能になりました しかし繰り返しますが 私たちは常に限界に挑戦しています より多くのサービスと画期的な 体験を提供するために そしてもちろんそれらを より高速に提供するために これによりネットワークの最新技術 である5Gが実現するのです 5Gは スピードに対する高まるニーズに 対応して進化を続けています 過去の世代のネットワーク パフォーマンスを 振り返ってみると 新しい世代が登場するたびに データ配信速度が著しく 向上しています スピードを上げるたびに豊かさを 提供する可能性が 飛躍的に高まります あるいは 多くの場合 これまで不可能だった Appでの体験です しかしネットワーク帯域幅の 観点から見ると5Gの パフォーマンスは飛躍的に 向上しているが 5Gは単にデータ量が 多いだけでなく より高速な処理が可能になってます そのためデータをより速く 交換できるだけでなく Appとサーバ間の ラウンドトリップも短縮できます またラウンドトリップの高速化は トランザクションの高速化と 同期化を意味します 5Gがより多くのデバイスを同時に 処理できるようになったことで スポーツスタジアムや会議場など 混雑した公共の場であっても App内でデータ関連のサービスを 提供し続けることが 可能になりました 思い出しましたか? 5Gのパフォーマンスが 一般的な公共Wi-Fiの 10倍であることを考えると これはユーザーが大きなファイルを 素早く交換するためだけに 安全でない可能性のある Wi-Fiホットスポットを 経由する必要がないことを 意味しています これは5Gにつながる ネットワーク世代の簡単な レビューであり パフォーマンスの各飛躍は App開発者が限界に挑戦し これまでにない体験を Appで提供する可能性を高める 結果となりました ここからはネットワークの パフォーマンスに焦点を 当てるのではなく ネットワーク環境に関係なく Appが 最適に動作することを 確かなものとする iOSに組み込まれた サービスについて説明します ネットワーキングの主要な マイルストーンを振り返ると 新しいネットワークが登場 するたびに 以前のネットワークは歴史のゴミ 箱に消えていったと考えられます しかし他の進化プロセスと同様に 次の世代には常に過去の 一部が存在します だから 現在の5Gセルラーネットワークは やや融合したものに なっているかもしれませんが 主に ノンスタンドアロンと スタンドアロンと呼ばれる 2種類が存在しています さらに一般的には NSAとSA と呼ばれています ノンスタンドアローンは既存の LTEコア上に構築されており LTEと5Gの両方のリンクを 使用して通信スケジュールを 設定でき 7GHz未満の周波数で動作し ミリ波をサポートします スタンドアロンは完全に新しい 5Gコア上に構築されています また 7GHz未満の周波数で動作し ミリ波をサポートするほか LTEを上回るレイテンシ性能を 実現しています 5G導入のこれらの固有特性は Appのネットワークパフォーマンス を決定する上で 重要な役割を果たします そして 特に理論上の理想的な速度が 最大4Gbpsである ことを考えると そのメリットは非常に大きいです 私が最近Apple Parkで行った この現実世界のテストでは 非常に高速な 3Gbpsの速度に 近づいていることが分かりました! これはLTEの20倍の速さです ping遅延が7ミリ秒である ことから 5Gでできることがたくさん あることは明らかです しかし5Gの導入では レイテンシが低く データ速度が高速になる一方で 本質的に電力を大量に消費します 確かにAppを使っている人たちは 超高速の体験を求めているが 必ずしもバッテリー寿命を 犠牲にしているわけではありません そのため消費電力とパフォーマンス のバランスを考慮し システムレベルでの最適化を行って みなさんがユーザー体験に 集中できるようにしました 5Gの導入状況を見てみると 公共Wi-Fiも入れて考えると さまざまな パフォーマンス特性を持つ さまざまな ネットワークタイプがあるので App内の特定の タスクに最適な接続速度を 提供できることがわかります そして「5Gへの自動切り替え」 と「スマートデータモード」 という2つのテクニックを使って ベストのネットワークを選びます どちらの技術もパフォーマンス セキュリティ 消費電力の特性を 組み合わせて Wi-Fi、LTE、5Gなど Appに最適なワイヤレス接続を 可能にします LTE 5G 及びWi-Fiの 相対的なパフォーマンスを 常に評価するのに加え スマートデータモードは 任意のネットワーク上の ネットワーク輻輳を検出し 最も低い抵抗で接続のワイヤレス インターフェイスを移動できます また空港やコーヒーショップなどの 公共Wi-Fiは通常 セルラー通信よりも安全性が低く 通常は非常に低速なデータ 速度を提供するという前提で 利用可能なWi-Fi接続の セキュリティについても 検討しています また バッテリーに関して App内の特定のタスクに 最も電力効率の良いネットワークを 考慮することで 例えば映画のダウンロードなどの 大容量ファイルのユースケースでは 5Gに切り替えた方が効率的で あることを認識したり 通常バックグラウンドで実行される ようなデータインテンシブではないタスクで LTEに切り替えた方が効率的で あることを認識したりします したがってすべての組み込み サービスがユーザーに代わって ネットワークインターフェイスを 管理するため ネットワークタイプを完全に 無視することが容易になります この組み込み機能のレビューによって Appが5G向けに最適化されて いることを確かにするための 完璧な実用的なガイダンスを お届けします 前のセクションで 最初のベストプラクティス について触れました システムが最適なネットワークを 選択するので ネットワークタイプの考慮自体を 停止する必要があります ネットワークタイプを使用して 動作を制御することは Appが潜在的な5Gの利点に アクセスできないようにすることを 保証してしまうようなものです また複数のネットワークパスを サポートしているためWi-Fiが 利用できる場合でもセルラーが 利用できないと考えないでください 私の次のベストプラクティスは フレームワークを使用して 5Gを最大限に活用することです 例えば Apple TVや Apple Musicのように AVFoundationを使って 高品質のオーディオやビデオを ストリーミングすべきです 5GのVOIP Appのために 追加された注目すべき機能強化を 利用するにはCallKit を使います URLSessionや Networkフレームワーク などのハイレベルなネットワーク APIを使用して多くのAppを 5Gを最大限に活用するように チューニングすることができました Apple Newsは5Gで記事をキャッシュし オフラインで読めるようにしています お気に入りの写真が安価な 5Gリンク経由で iCloudに 同期されるようになります またWi-Fiが利用できない 場合は5G経由での 自動バックアップとリストアを 有効にしています 3番目のベストプラクティスは 制約のある あるいは高価なパスに 合わせてAppをチューニングすることです ほとんどの場合アクティブな セルラープランに基づき システムによって 制約があるか 高価なパスなのかが 自動的に判定されます ただし ユーザーは デバイスの データモード設定を変更して これらに影響を与えること もできます 3つのオプションがあります 「5Gでより多くのデータを許容」は WiFiのように高価ではないパスを示唆します； 「標準」モードは 通常は高価なパスと見なされます； 「省データモード」 制約があるパスと見なされます 高価なパスか 制約のあるパスか という概念は すべてのハイレベルなネットワーク フレームワークで プロパティとして現れてきます またこれらのプロパティの値こそが Appで利用可能なネットワーク サービスのタイプを決定する際の 唯一の考慮事項となります たとえば URLSessionを使用すると これらのプロパティを利用して ネットワークリクエストを 管理できます 5Gによる高価ではない ネットワークを利用するには ネットワークタイプのチェックに 頼るのではなく allowsExpensive NetworkAccessを 使用することをお勧めします また Appが高価なパスに基づく ポリシーを 実装する場合は ユーザーがそのポリシーに 影響を与える方法を提供します Network.framework には 制約のあるパス 高価なパス 高価ではないパスをチェック する別のオプションがあります 最後にもしあなたのAppが AVFoundation を使っているなら 制約のあるパス 高価なパスであることを 示す同様のものが存在します 以上がAppで 5Gを最大限利用するための ベストプラクティスです 重要なのは オペレーティングシステムと iOSのフレームワークに 重労働をさせることです このセッションでは ちょっとした歴史の教訓から システムの動作に関する 詳細な説明 ネットワークを最大限に 活用するためのヒントまで かなりの内容を取り上げました しかしサインオフする前に 重要なポイントをいくつか お伝えしておきたいと思います まず 5Gはここに存在します 近所では利用できないかも しれませんが かなりの割合の顧客が 既に利用しているか すぐそこまで迫っているので 準備はしておくべきです ハードウェアとソフトウェアの 独自の組み合わせを活用して 可能な限り長いバッテリ持続時間を 維持しながら ハイパフォーマンスな ユーザー体験を 実現する方法に 引き続き取り組んでいます またハイレベルな フレームワークを使用することで 最小限の労力でAppに メリットをもたらすことができます 最後に私たちは常にみなさんと 関わる方法を模索しています 当社のネットワーキングツールが みなさんのニーズにどのように 適合しているどうかについて フィードバックをお願いします 5Gのユースケースで特に 興味深いものがあれば それについても教えていただきたいです ありがとうございます！ ♪