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インクルーシブなデザインのプロセス
ソフトウェアを使用するすべての人に素晴らしい体験を提供できるような、インクルーシブなAppを提供する方法を紹介します。また、多様なチームを結成してその能力を強化するためのベストプラクティスを紹介します。インクルーシブな考え方が、デザインと開発プロセスの各段階にどう影響するかを確認しましょう。
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♪ (インクルーシブデザインのプロセス) こんにちは Caroline Cranfillです Apple Designチームのデザイナーです 後ほど同僚二人が参加します CynthiaとSabrineです 人はそれぞれ重要であり 同時に 互いに非常に異なります 様々な個人を考慮することで マーケットを開拓し より人気のあるAppを作成でき 単に正しいこと以上のこと を成し遂げられます この野心的な目標を達成するには 非常に早期の段階からAppが 全ての人に力を与えて 喜ばせる方法を 検討する必要があります そして早期の段階だけではなく 全てのプロジェクトで インクルージョンのために デザインし開発することは 他の人の考え方や感じ方についての 理解を再検証する 繰り返しのプロセスです 各個人の視点はユニークですが インクルーシブなデザインと開発は 多様性の特定の軸に 焦点を置くことで メリットを享受できます これにより自分の経験よりも 広い視野で考えられるようになります 多様性の軸にはクラス 文化 民族 言語 教育だけでなく 政治 哲学 宗教的な信念や 人種 ジェンダー 性的指向 年齢 能力 障がいや 右利き左利きのどちらであるか 背の高さなどの体形 場所 インターネット接続 テクノロジーデバイスの有無など 環境条件が含まれます それぞれの軸は多様な視点を提供し 複数の軸が交差することを 考慮すると よりユニークな経験も提供できます 例えば 高速インターネットがなく データに制限がある場合 Appの動作にどう影響するでしょうか あるいは 多様な ジェンダースペクトルにまたがる LGBTQ+コミュニティのユーザーを 歓迎するAppになっているでしょうか 多様な視点を通して Appやゲームを検証する際 インクルージョンは人が 歓迎され考慮されていると 感じられるようにすることです ユーザー自身の経験を 考慮してデザインされたように 感じられることが大切です Appは世界中の人に使用されるため 人間性と多様性を尊重することが大切です 本日はAppやゲームの 作成方法について話します 多様なユーザーに 利用してもらうためには インクルージョンを 各所に取り込む必要があります 詳細を確認する前に インクルーシブなデザインと 開発によくある 誤解について説明し オルタナティブな考え方を説明します まずインクルージョンを難しいと 感じるかもしれません しかし「インクルージョンは過程」 だと捉え直すことができます 多くのことは困難でも 価値がある場合にはそれでも やり遂げますね インクルージョン繰り返しのプロセスで 時間がかかります 意味ある変化には計画性 粘り強さ 忍耐が必要です クオリティ・オブ・ライフの改善に役立ち 新しい目標の達成や挑戦を促せるので メリットは大きいです もう一つは インクルーシブなデザインが クリエイティビティを制限する という誤解です 実際には インクルーシブなデザインと開発は 創造的なソリューションの起爆剤となり より広いコンテクストで検討し 認識を広めることで 今までになかった領域で進歩できます 人の経験の多様性を考慮しなければ 得ることのなかった経験で 飛躍的前進を提供できるのです インクルージョンというのは 革新的なアイデアを拒否したり 全ての人に最低限の共通の経験を 提供することでもありません 制約は初期段階での決定を促し プロセスの確立に役立ちます 制約があると特定の問題領域に集中して 新しいソリューションの模索に 取り組むことができます 例を挙げます AppleのチームはApple製品を利用して 物理世界にインテリジェンスの レイヤーを追加する方法を考えました 最初はいくつかのオブジェクトと テキストの認識に 焦点を当てようとしました それ自体が制約です しかしチームはそこに 踏みとどまりませんでした ボタンを使えるようにして 電話やメッセージの利用 連絡先の追加や認識された 電話番号のコピー方法などを 模索しました これは私にとっては 「役に立つ」程度ですが 目の不自由な人や弱視の人が 看板 名刺 封筒などの印刷物を 扱えるようにするためには不可欠です 目の不自由な人はこのテキストを 読めるだけでなく そこから電話をかけたり 連絡先を保存したりできます これに関連して チームについての 一般的な誤解があります 多様性を持つチームを持つことが インクルーシブなAppやゲームに つながると考えるかもしれませんが 実際には多様性を持つチームが エンパワーされていることが インクルーシブなAppやゲームの 開発につながります インクルーシブなアクションを 可能にするインクルーシブな環境を 構築する責任は全員が持っています 自分の考えや意見を自由に発言できると 関与の度合いも高くなります そして 多様なメンバーから成る グループからのアイデアは 創造性とイノベーションを向上させます Appleではアクセシビリティエンジニアが 様々なチームと協力して 特定のユーザー層に影響を与える 固有の問題の 解決を支援しています 例えば目の不自由な人や弱視の人が 自分1人では安全に前に進む タイミングが把握できないという 問題を抱えているかもしれません ビデオエンジニアリングチームが 「LiDAR」という技術を使用して ソリューションを提供しました これはパルスレーザを使用して 近くのオブジェクトにpingして 周辺環境の3Dモデルを生成します 拡大鏡Appで人の検出機能を 作成しリリースするために チーム間で協力できるよう 権限を与えられました この機能では周りの人との間の距離を 把握することができます 生活を便利にするための 試作品として始まったものが 新型コロナウイルスの蔓延に より必需品になりました 私たちのチームと視覚障がい コミュニティとの継続的な会話の中で より差し迫った問題に直面したのです 目の不自由な人や弱視の人は ソーシャルディスタンスを どのように確保できるのか という問題です もう1つの誤解はインクルージョンが 最後の段階に行うことができるもの だという考えです インクルージョンを考慮し 個人やユーザーグループによる 体験を考慮することは Appとゲームのデザインと開発の 初期段階からはじめ プロセス全体で行う必要があります 最後まで待つと十分に対処できず 修正時間が足りなくなることも よくあります ある程度の規模の変更には リスクが生じます 開始時点からすべて正しく実装する 必要はありませんが 初期から考慮する必要があります こういった事項を捉え直すことで よりインクルーシブなAppやゲーム を作成できます まず プロセスを詳しく確認しましょう インクルーシブな環境としてまず チームの多様性を確認すると インクルージョンを達成するための よいスタートを切ることができます Appleでは チームは私たちがサービスを 提供する多様で進化し続ける 世界を反映する必要があると信じています 人々は同じ考えや共通認識 同意できることに惹かれがちです その方が快適で精神的エネルギーも 少なくて済みます しかし必ずしも最良の結果を 得られるとは限りません 多様性を課題ではなく資産として見ると 新しい可能性や クリエイティブな考え方 生産的な新しい関係を 生み出すことができ より優れた決定を 行うことができます ある意味で 中小企業では早い段階で 多様性に取り組むと インクルーシブなチームを 構築しやすいでしょう 一般的に雇用者は知っている人を 雇う傾向があるため 非常に類似した視点に偏ってしまう リスクを伴います 代わりに自分と異なる人材を採用して 初期から多様性をコアバリューにすれば 後で慌てて修正する必要がなくなります チームを成長させるにあたっては 「文化的な適合性」ではなく 「文化的な付加」を考えましょう どのような視点が欠けているのか またその視点を発見することで どうAppを改善できるでしょうか 多様なチームであっても 多様な視点が意思決定に 影響を及ぼす有意義な形で 組み込まれていないことがあります 判断に縛られない 多様な視点を促すための スペースを確保しましょう 安全なスペースを確保し チームが インクルーシブに考えるには 時間とスペースが必要です この時間を大切にしましょう デザインと開発のプロセスは厳格で 柔軟性に欠く場合があり 何を作っているのかを時間をかけて 熟考できる余地がないことがあります 迅速な開発では チームからの多様な視点を 組み込むことはできません ここからデザインと開発のプロセスを 詳しく確認してみましょう 各段階で考慮するべき ヒントとアドバイスを共有します プロセスを図で表したとき ポイントAをアイデア段階 ポイントBをリリース段階 と考えたとします ポイントAとBの間には デザイン 開発 テストといった 各段階があります セキュリティやプライバシーと同様に インクルージョンは後付けとして 扱うことはできません リリース後に 一部のユーザーにとって 十分に機能しないということに 気づくのでは手遅れだからです 最終段階だけでなく プロセス全体を通して 時間を取って停止し 再検討して 調整できるようにしましょう これは真に活気あふれる イテレーションプロセスとなります 各段階で時間を取って考えて 鍵となる質問を投げかけて 作成中の製品を評価するのに役立ちます 一時的に後退しているように 感じるかもしれませんが この新しい よりインクルーシブな方法で より多くの人にAppやゲームを 利用してもらえるようになります これにより複雑で 解決に時間のかかる問題に 対応する時間も確保されます 今 各段階で自分自身に質問したり 実行したりできることについて 話しましょう まず 何を作るのかを 観念化する時点から開始します Appやゲームを作成する人なら誰でも 次の質問への答えを持つべきです どうしてこれを作りたいのか? これは誰もが使えるものだろうか? 作成するAppまたはゲームの 目的を明確にします 人と暮らしににどのような メリットがもたらされるのか どのようなことが可能になり 人はどんなことを感じられるのか 次に誰のために作るのかも考えましょう 現在そのAppやゲームを使用して いる人だけではなく 異なる多様性の軸を通じて 考えてください どのようなディメンションや インターセクションを 考慮しましたか? またそれはどのような体験に なるでしょうか? その後 自分の仮定を検証して 意見を聞きましょう 自分自身やデザインと開発のチームが 持つ価値と異なる経験や視点について 積極的に耳を傾け学んでください 学ぶことにより注意を傾けるべき 新しい領域が発見されます デザインと開発のプロセスにおいて 次はデザインです アイデアが固まったら 一般的なユーザーがAppやゲームを どのように使用するかだけでなく 極端なユースケースも含めて 具体的に考える必要があります 未検討のインターセクションで 一部の人によるAppやゲームの使用を 妨げている可能性があります 次に Appやゲームを使用する人への 感情的 社会的 身体的な影響を 検討しましょう 一部の人やグループが ネガティブな体験をする可能性があるか これは弱い立場にある人や社会的に 非優遇されているグループですか その場合 その理由は何で どんな対策がありうるでしょうか 次に 場所とコンテクストがどのように 体験に影響するかを考慮します コンテクストとはAppを使用する人が 置かれている状況や環境です 文化 環境 場所 接続性など いくつかの多様性の軸にまたがります 文化によっては 複数世代の 家族が1つの世帯で暮らすことが あることや 都市や農村に暮らしている人々は それぞれ異なるニーズを持っています また うるさい環境か静かな環境か 明るいか暗いか スペースが小さいか大きか などを考慮しましょう 例えばApple TVは ルームメートや友人が使う場合と 子供のいる家庭が使う場合では 異なる体験になる可能性があります デザインと開発のプロセスにおける 次の段階は デザインに対して開発を開始する時です 開発全体を通じたインクルージョンの 考慮または関連する専門知識を 持つことが重要です プロトタイプやデザインの評価では ソリューションについての議論や 意思決定の場で 多様なグループの人々が 明確に参加できるようにします 多様な意見はコンテクストを提供し Appやゲームの開発の道筋を 正当化します 次に 開発の初期段階で アクセシビリティと インターナショナリゼーションに関して 計画し始めます Appleは世界人口の15%にあたる 障がいを持つユーザーに対して アクセシビリティ機能が組み込まれた 製品を提供しています そして 人口高齢化や 慢性的な健康障がいにより 何らかの障がいを持つ人の 数は増えています Appやゲームを使用する人は アクセシビリティの向上を 求めています この段階で時間をかけて 様々なアクセシビリティや ローカリゼーションAPIを理解しましょう そうすれば 機能開発の時点で 準備ができています 標準的なUIKit AppKitまたは SwiftUIの コントロールとビューは UIAccessibilityメソッドを実装し デフォルトでアクセスできますが カスタムコントロールとビューを 使用する場合は アクセシビリティの確保のため より多くの時間を計画に組み込みましょう デザインと開発の段階を終える前に Cynthiaが イノベーションにおけるインター セクションの連携例を共有します Cynthia Bennettです AIと機械学習のチームの 研究者です 私達のチームは機械学習を活用して インクルーシブな体験をデザインし 開発しました そのため2つのダイバーシティの軸の 交差点に視点を集中しました これから Apple以外の組織から学んだことが どのように よりよい機能の開発に役立ったかを 説明します 背景を少し説明しますが 目の不自由な人や弱視の人は高度な スクリーンリーダーである VoiceOverを使用して Appleの製品にアクセスします VoiceOverを使用すると 私たちのデバイスを使用するユーザーは Appのナビゲートや 友人とのチャット その他多くのことを実行できます 具体的にどのように機能するか紹介します VoiceOver起動中は 画面上で指をドラッグして 触れたすべての音を聞くことができます VoiceOverオン カレンダー 6月7日(月) ニュース ホーム カメラ ポッドキャスト 左または右にフリックして 1つのエレメントから別の エレメントに移動できます ニュース 天気 写真 アイテムをダブルタップして アクティベートできます ダブルタップして開く 目の不自由な人や弱視の人は Appの中身を見ることが できないかもしれませんが 他の人と同じようにそれらを 楽しみたいはずです 画像の説明 つまり 写真内の最も重要な要素に関する テキストの情報が 写真とともに 表示されることがあります 優れたインクルーシブな写真体験を 提供するために Appleは画像説明のサポートに 取り組みました iOS 15ではマークアップの 画像説明機能があり 写真に対して独自の説明を 書くことができます これらの画像の説明は複数の Apple製品間で写真を共有する たびに送信されます この写真に対して人によって 入力された説明は 「サバンナを歩くキリンの横顔と 遠くの木々」というものです しかし たくさんの写真があり その多くには説明がありません ここで機械学習が役に立ちます 機械学習によるトレーニングモデルは 画像の説明を自動的に 素早く 大規模に生成できます そこで 私たちのチームは iOS全体で画像の詳細な 自然言語の説明を生成するモデルを トレーニングしました これをVoiceOver認識機能の 画像説明と呼びます この写真のVoiceOver 認識機能の画像説明に 耳を傾けてみましょう キリンが乾燥した 草地に立っています しかし最先端の機械学習でも 充分ではありません インクルージョンは意図的に 行う必要があるのです そこでチームは画像説明モデルが 普通の人だけでなく全ての人を 説明する方法を理解する 必要があるました 機械学習を利用した機能の場合 異なる人のグループが 機械学習によりどのように 認識されているかを学ぶことから 始めることができます そしてこれは個人のデベロッパでも 大企業で働いている場合でも 誰もが実行できるステップです どのグループを優先するべきかを考える時は これらの多様性の軸を念頭に置いてください 私たちのチームがさらに学んだ 機械学習の1つの側面は 人々のジェンダーがどのように 説明されるかでした これまでのところモデルは 女性と男性の2つのジェンダーを 表す傾向があることを学びました しかし私たちは人々が非バイナリーや トランスジェンダーなど 様々なジェンダーの人がいることを 知っています この場合 表現は 全ての人のジェンダーと 一致しませんでした なぜこれが重要なのか 尋ねる人もいるかもしれません ジェンダーは 写真を 目の不自由な人や弱視の人などの 1つのグループに対して インクルーシブにすることと どう関係があるのでしょうか 目の不自由な人や弱視の人は あらゆる種類のジェンダー アイデンティティを持っています 言い換えると これらの特性は連携して 画像の説明を読んでいる時に 人々の体験に影響を与えます 交差性とは 法律専門家で 批判的人種論学者のKimberlé Crenshawによって開発されました それは 社会システムで不利な立場にある 複数のアイデンティティを持つ人々の 固有の経験とニーズを認識するものです この例で 交差性の視点に耳を 傾けることは 多様性の軸の様々なグループにまたがり アイデンティティを持つ人々にとって 素晴らしい経験を開発するのに役立ちます 具体的にこの例では 交差性は 目の不自由または弱視の人であると 同時に非バイナリーやトランスジェンダー などの少数派のジェンダーである人が 画像の説明を読む時の体験に どのように影響したかの理解に 役立ちました この非常に特殊なインターセクション にいる人々からの視点を 確実に学ぶために 私たちのチームは 外部の組織と連携しました 目が不自由または弱視で かつ 非バイナリおよびトランスジェンダーの LGBTQ +コミュニティのメンバーと 協力したのです 写真を見るだけではジェンダーを 区別できないことを 私たちのチームは学びました また ジェンダーニュートラルな 画像の説明では 人々の服や髪型など 他の要素に焦点を当てることで 役立つ詳細を提供できることも 学びました 今のところ VoiceOver認識の画像説明を ジェンダーに依存しないよう開発しました 例として この写真の VoiceOver認識の画像説明を 聞いてみましょう 赤と白のストライプシャツを着て 建物の前に立っている 黒いカールの髪の人 ただし 説明機能を使用して 誰でも独自の画像説明を作成できます この場合 画像の説明を作成する人が 被写体の人のジェンダーを知っていれば それを説明に反映することができます 同じ写真に対して人間による説明は 次のようになります 「Samがレストランの外に立っています 彼女はカールした黒髪で 赤と白のストライプのブレザーを 着ています」となります さて機械学習の使用に適用できる インクルーシブな開発のプロセスに ついて説明しました しかし 私が話したことは どのAppやゲームにも当てはまります まず インクルージョンはより幅広い オーディエンスにとって革新的なものです 例えば 画像の説明は 目の不自由な人や弱視の人にも 写真を共有することで 様々な楽しみに参加する機会が増え すべての人のエンゲージメントを高めます 機械学習モデルをトレーニングする リソースがなくても アクセシビリティを向上させるために この説明機能のように インクルージョンを改善する 機能を使用して 優れた体験を作成できます 第二に 様々なアイデンティティと 体験が交差する領域に 当てはまる人を考慮に含めましょう 画像説明の例で見たように 一度に1つのグループのためだけに 開発するのではなく 目が不自由または弱視のユーザーを 考慮しながら あらゆるジェンダーのユーザーも 尊重できる製品を開発することに 役立ちます 私たちのチームは 機械学習が人々を どのように表現しているかを 調査することで 交差性の重要性 について学びました そして これは個人デベロッパか 大企業で働いているかにかかわらず 誰でもできることです 最後に 知識が十分にない分野について 専門家に意見を求めることは 私たちのインクルーシブプロセスの 重要な要素でした Caroline: Cynthiaが説明したように 多様性軸のインターセクションに 焦点を合わせることは 革新的というだけでなく 敬意を表すための方法でもあります デザインおよび開発プロセスに インクルージョンを持たせるための ヒントを引き続き検討していきます 次の段階はAppまたはゲームを テストする時です 実際のフィードバックを得るために 多様な人々のグループを探してAppや ゲームを使ってもらう必要があります 何よりも 頭の中のアイデアが 実践および時間の経過とともに 持ちこたえられるかどうかが分かり 追加の洞察を得ることにもなります 多様な背景を持つテストチームを持つことは エッジケースを見つけるのに役立ちます 多様性はより幅広い体験と ユーザビリティのパターンをもたらします 次に 支援技術や各種の特殊サポートを 導入したテストは 顧客に影響を与えてしまう前に 問題を発見するのに役立ちます VoiceOverの基本を学習したり テキストを最大サイズまで拡大したり キーボードを使用してAppやゲームを ナビゲートしたりすると 潜在的な問題をすばやく特定でき テスト計画に組み込むべき事項を 発見できます 次に フィードバックに耳を傾け 確認し 優先順位を設定します フィードバックは最終製品にとって 重要です フィードバックに基づいて デザインや開発のプロセスを 新しい視点で繰り返したり 機能を削除したり 追加したりする 必要がある場合があります インクルーシブテストの目標を 他の指標と同じように 主要業績評価指標(KPI)として設定し インクルージョンを主要なビジネス目標として 測定することを社内で提唱します デザインおよび開発プロセスの最後は リリースの準備ができているかどうかを 判断することです リリース日が変更できない場合は 時間とリソースの許す範囲で リリースするために トレードオフを行う必要があります これには 1つの機能のリリースを 断念することで 残りの機能を 全ての人にとって優れたものにする という判断が想定できます 特定のグループのユーザーに 低品質の体験を繰り返し提供すると これらのユーザーがあなたのAppや ゲームを使用しなくなるといった 深刻な影響につながる可能性があります 次に 一部の多様性軸または インターセクションで 最高の体験が提供できない場合は 時間をかけて 最高の体験を実現できるよう 原因や方法 提供の時期を計画する 必要があります 充分な時間が割り当てられなかったり 問題の特定やエスカレーションが遅すぎたり 複雑性が増すことを考慮せずに計画したり 全く斬新なAPIであるため 時間切れになったりすることがあります しかし 確固とした情報に基づいて 適切な計画と目標日を設定することは 将来のリリースに向けて 改善に取り組む上で重要です より良い方法を学び どうしたら もっと良いものを提供できるのか 学ぶことはインクルージョンの プロセスの一部です また 実際の開発に合わせて 再評価 強化 成長を続けること また人々の体験をより良くする 方法についても 学ぶことを忘れないでください それはまた まったく別の次のことに 飛び移ることでもありません インクルージョンにより 大規模な変化に対応できます よりインクルーシブになるように デザインを繰り返し続ける例を Sabrineに説明してもらいます こんにちは Sabrine Rekikです Camera&Photosチームの インクルージョンエンジニアです 私は多文化の環境で育ったことで 共感と好奇心が世界を より良い場所にすることが 理解できるようになりました リリース後のインクルージョンの 継続的な向上について インサイトとテクニックを 共有したいと思います ここでは私が取り組んだ フォトメモリーという機能を 例として取り上げたいと思います ご存知ない方のために説明すると フォトメモリーは 写真やビデオを 感動的なテーマムービーに スマートにつなぎ合わせて 忘れかけていた瞬間を再び 味わうことができます iOS 15ではフォトメモリーの 体験を拡張して さらにインクルーシブな形で世界の ユーザーに提供したいと考えました そのため まず写真Appを使用している ユーザーからの フィードバックに細心の 注意を払いました 多くの人がフォトメモリーを 楽しんでいて 家族や友人との 楽しい時間を思い出せたとの感想を 寄せてくださいました 一方でフォトメモリーの改善の余地に ついてもヒントが提供されました 例として 寄せられた2つのフィードバックを どのようにインクルージョン目標に 変えたかを説明します 最初のコメントは 「娘の空手の練習でたくさん写真を撮ります それらを思い出に変えたら嬉しいです」 というものでした 私達はこのフィードバックを 多様性の賛美という 目標に変換しました 自分が誰で 何に夢中になっているのかに 一致するテーマで ユーザーにとって 大切な思い出を浮かび上がらせます これらのテーマを考え出すために 私たちは会社全体のチームメート 特に米国外に住むチームメートとの ブレインストーミングセッションを 開催しました ブレーンストーミングは アイデアをすばやく自然に生み出し 創造性を高めるための 私のお気に入りのグループテクニックです 思い出をよりパーソナルにするための ユニークなアイデアを集めました それらの多くは私たちだけでは 思いつかなかったものです 写真撮影が好きな人は大勢いますが 写真ライブラリのコンテンツは 私達一人一人にとって ユニークであることを再発見しました 私たちの写真とビデオは 趣味や文化的な背景も含めて 私たち自身のアイデンティティと ライフストーリーを反映しています 人々が自分にとって大切な瞬間を 追体験できるよう 私たちは幅広い人生の経験と興味を 受け入れる必要がありました ブレーンストーミングセッションに 向けてのヒントですが 自分とは異なる意見を識別する ことが大事です また 可能であれば より多くの人が参加できるように 異なるタイムゾーンで 小さなグループで複数のセッションを 行うことをお勧めします グループが大きいと 威圧的になる傾向があり 素晴らしい提案を見逃す 可能性があります 新しい思い出のアイデアを集めたら 多様性軸の視点から それぞれを分析しました 私たちの場合 田舎と都会の生活 10代の若者と祖父母の世代 地域社会とグローバルの視点から 新しい思い出のテーマを検討しました そしてそれぞれに対して次のような 質問に回答しました 誰のために構築するのでしょうか 除外されてしまう人々はいるでしょうか そして人々はどのように感じるでしょうか これらを問うことで 新しいメモリーテーマの選択と その優先順位付けに役立ちました 趣味をもっと取り入れてほしいとの 声が多く寄せられたため 武道 スケートボード サッカーなど より多くの趣味を表現できるようにしました 住み慣れた地域の趣味ではなく 世界各地の趣味を優先しました しかしそこで満足するのではなく さらに国際的な休日のリストまで拡張して 全ての人が自分の地域での祝祭日の 思い出を追体験できるようにしました クリスマス ディワリ祭り 旧正月 イド・アル=フィトル ハヌカーなどです 私のチームには必要な 専門知識がなかったため 文化の専門家と協力して 各地の人々に親しまれている 一連の祝祭日を特定しました 写真Appで人生のより多くの側面を 思い出せるようになり とてもワクワクしています 私のお気に入りのチュニジアやフランス アメリカの休日も含まれます では2つ目のフィードバックについて 見てみましょう 「写真Appを見て元パートナーのことを 思い出すのは あまり気分がよくありません」 というものです 私達は次の目標を設定しました つらい経験があることに留意し 思いやりをもってデザインを行うことです この目標を達成するために 別のテクニックを使用しました ブレーンストーミングの ミーティングはアイデアを生み出し クリエイティブ性を 引き出すのには最適ですが 特定のトピックには 特別な思いやりと細心の注意が必要です そこで私達は個別のインタビューを行い より深く掘り下げ 人々が自分のストーリーを共有できる 安全なスペースを提供しました Appに何らかの懸念事項を感じ 自分が含まれていると感じていなかった 人々と会話するために 個別のスケジュールを組むことを お勧めします メモリーについて私達は たくさんの会話を行い 予備調査中に収集した フィードバックを分析しました 思い出したくない人を目にした時を除いて 写真を見かえすことは楽しいと感じた という人が複数いました ソリューションをデザインする前に 私たちは彼らの視点に共感し 耳を傾け 理解するためのスペースを 切り開きました 「何を」「どのように」「いつ」 そして 特に「なぜ」について 丁寧に分析しました 何が思い出を楽しくするのか この質問に興味を抱いていましたが これに答えるのは容易ではありません あいまいで一般的な返信を避けるために 代わりに次のように質問しました お気に入りの思い出は何ですか? どんな思い出が嫌いでしたか? 見た後どのような気分になりましたか? どうすればあなたの体験を 向上することができますか? そして「なぜ」や 「それについてもっと教えてください」 など 答えをさらに解き明かす為に フォローアップを行いました 適切な質問を作成するのは 難しい場合がありますが これは実践すれば上達するスキルです 可能であれば 自由形式の質問を選択し 過去の瞬間を特定しながら 回答に影響を与えるかねない言葉を 避けましょう そして問題に対するソリューションを すぐには用意せず やり取りを受け入れましょう 一対一の会話をすることで 写真やビデオには ポジティブにもネガティブにも 感情に影響を与える力があることが わかりました 亡くなった愛する人の写真を 思いがけず見て 不在を思い出したりするのは つらいかもしれません 元パートナーの写真により 哀しみや怒りなど 多くの感情が沸き上がることもあります そして 写真そのものだけではなく 写真の所有者だけが知っている 目に見えないコンテクストが 痛みを与えることもあると学びました 他人の経験を聞いて吸収するプロセスは 聞く側を謙虚にさせるものです 自分や自分のチームの場合もそうでした 実際の話に没頭した後 新しいデザインでフィードバックに 対処する時が来ました 喜びをもたらす写真やビデオを 再度楽しめるよう ユーザーがメモリーで誰を見て 誰を見たくないかを 自分で管理できるように することを私たちは考えました 最初のイテレーションでは メモリーを閲覧している時に ある人の表示を減らすために 複数のボタンを追加し Appを再デザインしたので 写真App全体でこれらの人の 表示がすぐに減ることになります 一貫性を保つために ユーザーが体験を管理したいと思われる App内の他の場所を調べました 「おすすめの写真」「ピープル」 さらに閲覧中の単一のアセットからも 「候補への表示を減らす」を追加しました 次のステップはソリューションが 問題の解決になることを 検証することです デザイナーやデベロッパとして 私たちが最初に思いついたデザインは 人々から聞いて吸収した話に対する 最初の反応です しかし 話を聞いたからといって 必ずしも彼らを理解できたことを 意味するわけではありません 正しい軌道に乗って問題を解決できよう インタビューした人々にスケッチを見せて 彼らのフィードバックを求めることが 重要です デザインは彼らのニーズを満たして いるでしょうか 満たしていない場合は 最初に把握できなかったニュアンス を理解するよう努めます 最初のソリューションを見せた時に いろいろな反応がありました 人それぞれの許容範囲が異なり 表示される人の数を減らすだけでは 人によっては十分ではないことを 私たちは学びました この洞察を考慮して 次のデザインのイテレーションでは それぞれの人がどうしたいかを 自分で決められるようにしました 特定の人を見る頻度を減らすか 今後一切目にしないようにするかです 後から考えると明白な答えだと 感じるかもしれません しかし これは私達全員に 起こることです 製品にあまりに近づきすぎると 手落ちが生じてユーザのニーズを 満たすことができなくなります 最初のトライアルで上手く いかなかった場合 人と共感することにより 正しい軌道に戻ることができます 最後にグリフやアイコン といった詳細なところでさえ 人々に影響を及ぼすこともあります 開発の最終段階で 親指を下に向けたアイコンは 人を嫌う感覚を映し出す可能性が あることがわかりました 状況によってはこれが当てはまる かもしれませんが 愛する人が亡くなった時など 当てはまらないこともあります そこで 代わりに よりニュートラルな グリフを使用することにしました これまで写真メモリーの例を見てきました デザインと開発の過程において 製品のリリースは最終ゴールではなく 新しい始まりなのです インクルージョンを念頭に置くことで 人々の体験を改善し続けることが できます まず Appやゲームを使用した人々が インターネットに残した レビューやフィードバックを確認し さらに一歩進んで あなたやあなたの 友人とは異なる経験を持つ 人々からのフィードバックを 探すことを忘れないでください 第二に 他の人と共感して ブレーンストーミング 専門家との協力 個別のインタビューなど 他の人の立場になって 様々なテクニックをフル活用しましょう 最後に それがあなた自身の製品の経験 と合致しない場合でも フィードバックに対処しましょう また ソリューションを検証して もらうことで 確実にポジティブなインパクトが 体験にもたらされたことを 確認しましょう ここで Carolineにバトンを返します 本日お見せした多様性の軸やその例が あなたの会社とコンテクストに適した インクルーシブなデザインと 開発プロセスの 調整に役立つことを願っています まとめると インクルージョンは過程です 過程の中では困難なこともありますが 私たちは難しい問題を解決するのが 大好きですよね 課題は私たちのAppやゲームを よりインクルーシブにするための さらなる努力を促してくれます インクルーシブなデザインと開発とは 質の優れない体験の提供に 甘んじることではなく 新しいクリエイティブな ソリューションを生み出す 刺激となるものです 今まで考えたことがないような 分野での機会を生み出し 範囲とデザインを意図的に絞ることで 生産的な制約を提供します エンパワーした多様なチームは よりインクルーシブな製品を提供できます 一方 多様なチームだけでは 自ずとインクルージョンが向上すること を保証しません 代わりに 人々が自分の視点を 共有するように促され それらの視点が共に意思決定に 影響を与えられる環境で はじめて 製品はよりインクルーシブになる 可能性を得ます 最後に インクルージョンは デザインおよび開発プロセス全体 つまり共感 発想 デザイン 開発 テストリリースなどに 組み込む必要があります 共有した例では インクルージョンは デザインや開発と同じくらい重要な プロセスです インクルージョンを十分考慮すれば 結果として優れた機能につながります 人々の生活経験に耳を傾けることにより Appやゲームの影響を把握でき 革新的であると同時に 人々を尊重する製品を リリースするのに役立ちます 誰に焦点を合わせるか選択する際に 多様性軸とその交差性を念頭に 置きましょう 得た共感を実際に実践することで インクルーシブなデザインが 正しいことがわかりましたが 今ではこれを「良いデザイン」と呼ぶ 時期に変わりました 私たちはユーザーとつながり 新しい視点を学ぶことができます ユーザーのためというよりはユーザーと ともにフィードバックに取り組み デザインすることができます このプロセスが初めてなら 今日から始めましょう 誰にでもスタート地点はあるものです もう少し先に進めるよう毎日努力すれば 次第に習慣になり それがいつの間にか 当たり前になっていくのです あなたのユーザーインターフェイス 言語 画像 マーケティング資料が 可能な限り幅広い人々を サポートできるように コンテンツをデザインする方法について ぜひ「インクルーシブなデザインの実践」 を確認してください ♪
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