tvOS Appにおける複数ユーザーのサポート

tvOS Appにおける複数ユーザーのサポート

tvOS Appで、パーソナライズされた個々のエクスペリエンスを生み出す方法をご確認ください。プロファイルデータやゲームのセーブデータなどを保存するチェックボックスを提供して、各ユーザがiPhoneなどの個人用デバイスで同じレベルのデータ分離を利用できるようにする方法について解説します。また、新規ユーザに依存しないキーチェーンが、同じ世帯内の複数ユーザに対して、既存のサインオンエクスペリエンスを維持できる仕組みについても解説します。

リソース
- Mapping Apple TV users to app profiles
- - HDビデオ
  - SDビデオ
関連ビデオ

WWDC22
- パスキーについて
WWDC21
- tvOSアプリにおけるサインインのシンプル化
WWDC20
- tvOS Appにおける複数ユーザーのサポート
ダウンロード

♪ ♪ こんにちは Felipeです tvOSチームのソフトウェアエンジニアです今日はAppで複数のユーザを簡単にサポートするため tvOS 16で行われた改善についてご紹介します Apple TVは誰もが使えるように設計されています tvOS 13以降 Apple TVにおける複数ユーザー体験の改善をしています tvOS 16では新しい機能があり全Appで複数のユーザをサポートすることが容易になりますまずApple TVの複数ユーザー機能の概要から説明します誰もが使う端末で簡単にAppをパーソナライズできますストリーミングAppのユーザごとのプロファイル選択を保存することがいかに簡単であるかを紹介します自分のAppに最適な方法を考えます tvOS 16では家族全員が Apple TVで楽しむのをより簡単にします Siri RemoteのTVボタンを長押しするとコントロールセンターが表示されます一番上にあるのはこのApple TVに搭載されているユーザリストです tvOS 16の新機能としてユーザリストにまだ追加されていない iCloudファミリーのメンバーも含まれておりこれまで以上に簡単に家族全員で Apple TVを利用することができます
ここで Anneはまだ Apple TVにいませんプラスアイコンは推奨ユーザを示しています Anneを参加させるには提案されたユーザを選択するだけです
AnneはApple TVと同じ部屋に iPhoneを持っていき iPhone上で接続を確認するだけでいいのですそれだけです Anneは Apple TVのデータにアクセスすることができますさて少しAnneのiPhoneに話を戻しましょう Anneのお気に入りの動画配信AppをみましょうこのAppは家族全員で使い一人ひとりが自分のプロフィールを持つことができます Appを起動するとプロフィールピッカーが表示され Anneが自分のプロフィールを選びます個人のデバイスで動作するAppは好みのプロファイルを NSUserDefaultsに保存するだけで CloudKitに入れれば全デバイスに同期させることも可能です
家族それぞれのiPhoneがその人の好みのプロフィールを記憶しているのです Appを開いたときどのプロファイルを使うか何度も尋ねる必要はありません Apple TVは家族全員で共有するデバイスで Apple TVを使用するすべての人が共有することが重要だと考えています tvOS 14ではカレントユーザとして Appを実行する仕組みを導入しました Runs as Current Userエンタイトルメントのチェックボックスを追加するだけで iPhoneと同じように各ユーザーのデータにアクセスできるようになります
APIを呼び出したiOSのコードは Apple TV上でそのまま動作し一人一人が自分専用のApple TVを使っているかのように振る舞います Appが起動したら全てtvOSがやってくれますプライバシーやセキュリティはシステムで対応します "runs as current user"エンタイトルメントはゲームや個人の進捗に関係するAppに最適ですプロフィールのあるメディアAppはもう少し工夫が必要ですね今までの例ではサインインという重要な部分をスキップしていましたサインインはできるだけ簡単で頻繁でない方がいいと考えています tvOS 15では iPhoneやiPadから tvOS Appにシームレスにサインインできる機能を導入しました Apple TVでサインインする際に最も便利な方法を提供するためにデバイスが連携したファーストクラスのサインインエクスペリエンスです iCloudキーチェーンのパスワードなど Apple TVでは直接利用できない機能もタップするだけで利用可能です優れたサインイン体験を構築する方法については WWDC 2021の「tvOS Appにおけるサインインのシンプル化」をご確認ください
そして今年 tvOSでOAuthとパスキーのサポートを開始しましたパスキーはAppやWebサイトでパスワードを置き換えるための素晴らしい新しい認証技術ですパスキーについてもっと知りたい方は「パスキーについて」をご確認くださいしかし手軽さや便利さだけがすべてではありませんサインインは一度だけにしておくことが重要ですこの最適なユーザ体験を実現するため tvOS 16では「Runs as Current User」というシンプルで新しいAPIを導入していますこれはKeychain Services の新しい定数で Appがユーザ非依存のキーチェーンにアクセスできるようにするものですこの新しいキーを使って保存されたアイテムは Apple Tvの全ユーザから常にアクセス可能です例を見てみましょうキーチェーンのアイテムをユーザ名とパスワードで保存するメソッドを以下に示しますユーザ独立型のキーチェーンにアイテムを保存するには SecItemAdd関数に渡される attribute辞書に新しいキーを追加するだけです kSecUseUserIndependentKeychain というキーの値としてtrueを渡します
ユーザー非依存キーチェーンが設定されると読み書きする項目は全ユーザに表示されます新しいKeychain APIと Runs as Current User 機能の組み合わせにより顧客のAppは iPhoneとApple TVの良い箇所を併せ持つことができます Apple TVでのシングルサインイン経験を維持しながら共有デバイス上でユーザごとのシンプルなデータ分離を実現します tvOS 16では TVUserManagerでプロファイルをシステムユーザに手動でマッピングするためのメソッドを非推奨にしましたユーザとプロファイルのマップを維持する必要はもうありませんシステムが処理してくれます iOSで使っているAPIをそのままApple TVで使えますとても楽ですデモを交えてご紹介します Appのサンプルとしてプロフィールを持つメディアAppを紹介します私のストリーミングビデオのAppです現状ではお話したような機能は一切使っていません現在のユーザで実行されず新しいKeychain APIも使用されません先にサインインしてお見せします
サインインするとプロフィールのリストが表示されます今のユーザはMeiなのでプロフィールを見てみます
プロフィールを選ぶと Meiが見たいパーソナライズされたコンテンツが表示されます
後でAnneがテレビを見るためソファに座り Siri Remoteの TVボタンを長押ししてコントロールセンターを起動しますコントロールセンターの上部にあるのがユーザリストです緑色のチェックマークは現在のユーザであることを示します Anne に切り替えて Appを開いてみます
予想通り再びプロファイルピッカーが表示されました Anneは自分のプロフィールを選択することができます
しかし Meiに戻るとどうなるか見てみましょう
AppはAnneのプロフィールのままです Meiが好みのプロフィールを選んだことは覚えていないのです tvOS 16の新機能によりユーザエクスペリエンスをより向上させることができます App使用者が誰が見ているか改めて選択の必要がないようにします Xcodeに移動して簡単な方法を紹介します Appをカレントユーザで実行させるのは簡単ですあとはAppのターゲットにケイパビリティを1つ追加するだけです Appのターゲットで Signing and Capabilities タブに移動しますタブのすぐ下左上にある「Add Capability」ボタンをクリックしますケイパビリティの一覧を開きます私が興味を持ったのは「User Management」というものです「user」と入力してリストを絞り込むことにします
あとはAppに追加したいケイパビリティをダブルクリックするだけです
この下にある「Runs as Current User」チェックボックスはデフォルトで選択されていますそれこそ私に必要なことですこの権限により私のAppのプロセスは常に現在選択されているユーザとして起動されますシステムは各ユーザデータを区別することを確認しますキーチェーンも含めて全部ですしかし私のAppではユーザごとに異なるキーチェーンを持つことは予期せぬ副作用があります各ユーザーが個別にサインインする必要があるのです tvOS 16ではカレントユーザとして実行しながら全ユーザに対して単一のアカウントを持つ体験を維持することができます新しいKeychain APIを使用することでユーザに依存しないキーチェーンにアクセスできます KeychainControllerクラスでキーチェーンの読み書きをしますキーチェーンの読み込みと書き込みに使っています
ここではbaseQueryというプロパティがありキーチェーンの App認証情報にアクセスするために必要なキーを持っています新しいキーチェーンを使うようにアップデートするには辞書に新しい要素を追加するだけです新しいkSecUseUserIndependentKeychain を追加して trueに設定します
Appが全ユーザと認証情報を共有するために必要な変更はこれだけです他にはありませんただしその他のデータはユーザごとに区別されていることに注意が必要です UserDefaultsと同じでユーザごとにプロファイルの選択を記憶するために使います
では ProfileDataクラスを開いてみましょうこのファイルはiOSとtvOSのプロジェクト間で共有されます実は私のAppのiOSバージョンはすでにUserDefaultsにプロファイルの選択を保存していますが iOSで実行しているときのみですそれは iPhoneがパーソナルデバイスだからですしかし私のAppが現在のユーザを実行することで Apple TVは個人的なものになるのですこのiOS-checkを外すと Apple TVでも同じように動作するようになりますシステムは各ユーザに正しい UserDefaultsを使用するようにします新バージョンのAppを起動するとカレントユーザーである Meiで起動されます Meiがサインインしてプロフィールを選びます Appをカレントユーザーとして起動するとその瞬間にApple TVが個人のデバイスのような振る舞いをします Meiのデバイスです Meiのプロファイルの選択は UserDefaultsに保存されます Anneが見る時はコントロールセンターを使ってユーザを切り替えますシステムはユーザの UIを切り替えながらプロセスが再スタートする前に最後のタスクを完了する時間を与えます tvOSでは AnneとしてAppを再起動するようになりました今 Apple TVは Anneのデバイスですまた認証情報はユーザから独立したキーチェーンに保存されすべてのユーザがアクセスできるためサインインプロンプトは省略されますしかし AnneはまだUserDefaultsにプロフィールの選択情報を持っておらずプロフィールピッカーが表示されます Anneのプロフィールを選択するとその選択内容がUserDefaultsに保存されますさてこの時点でMeiとAnneは両方プロフィールを選択しましたユーザー切り替え時に Appがインタースティシャルプロンプトを表示しないようになりました常にコンテンツに直行し各人に適したプロファイルを自動的に選択します毎回ですそこで tvOS 16ではユーザごとのプロフィールをより覚えやすくしましたユーザごとに独立したキーチェーンにアクセスするシンプルな新しいAPIで各ユーザデータをシステムで分離して処理しますここまでで Apple TVで Appを利用する際にユーザプロファイルを選択しサインインを必要としない方法を確認しました Runs as Current Userエンタイトルメントを持たないAppは Default Userのリソースを使用します Apple TV自身のリソースを利用していると考えてくださいユーザの切り替えは Appの処理に影響を与えませんここでは名入れをする場合のオススメポイントをご紹介しますこの表は tvOS App で使用する機能に応じて利用できる機能を示しています AppがメディアAppの場合プロフィールを使ってパーソナライズされたコンテンツを表示します Apple TVを使用するすべての人が 1つのアカウントを共有しながら Runs as Current User エンタイトルメントを採用しユーザに依存しない新しいキーチェーン APIを使用することができますゲームのように個人の進捗が重要なAppの場合 Runs as Current User を採用すればあとはtvOSが処理しますまたそれ以外のApp 例えばレシピAppのように全ユーザに同じコンテンツを提供するAppは何もする必要はありません XcodeでtvOS Appのプロジェクトを新規に作成するだけです Runs as Current Userの詳細については WWDC 2020のセッションをご確認ください tvOS Appには合理的なdirect-to-content が最適であると信じていますこれらの機能があなたのAppに素晴らしい大画面体験を実装するのに役立つことを願っていますご視聴ありがとうございました他のセッションもお楽しみくだい ♪

5:25 - Save item in user independent keychain

func save(username: String, password: String) {
    guard let passwordData = password.data(using: .utf8) else {
        return
    }

    let attributes: [CFString: AnyObject] = [
        kSecAttrService: "MyApp" as AnyObject,
        kSecClass: kSecClassGenericPassword,
        kSecAttrAccount: username,
        kSecValueData: passwordData,
        kSecUseUserIndependentKeychain: kCFBooleanTrue
    ]

    let status = SecItemAdd(attributes as CFDictionary, nil)
    if status == errSecSuccess else {
        self.credentials = (username, password)
    }
}

特定のトピックをお探しの場合は、上にトピックを入力すると、関連するトピックにすばやく移動できます。

クエリの送信中にエラーが発生しました。インターネット接続を確認して、もう一度お試しください。

リソース

関連ビデオ

WWDC22

WWDC21

WWDC20